特集:カプコン関連のベルトスクロールアクションゲーム(アーケード編)

「ベルトスクロールアクションゲーム」というジャンルの魅力を最大限引き出してくれた職人集団、カプコン。金字塔「ファイナルファイト」を含む13作を紹介しましょう。

1989年

天地を喰らう(1989年)
本宮ひろ志氏の同名漫画を原作にした作品です。黄巾賊の乱から董卓打倒までを描いており、使用可能キャラクターは劉備、関羽、張飛、趙雲の4人です。
ファイナルファイト(1989年)
メトロポリスに蔓延る暴力集団「マッドギア」を駆逐した市長「マイク・ハガー」に対し、マッドギアはその娘ジェシカを誘拐するという報復に出る。ジェシカの幼馴染「コーディ」、助太刀を申し出る武者修行中の「ガイ」とともに、ハガーは救出に向かう。スラックスに革靴という、着の身着のままの姿で…。
1レバー2ボタン制、ボタン連打で連続攻撃、ボタン同時押しで必殺技という、これ以降のベルトスクロールアクションゲームの流れを決定づけた大傑作。「等身大の、大きなスプライト」による大迫力のグラフィック、初心者でも取っ付き易い簡単操作ながら、アドリブ攻略を要するという奥の深さでゲーマーをも唸らせた、ベルトゲーの金字塔です。

1991年

ザ・キングオブドラゴンズ(1991年)
戦いの中に自分を見い出した5人の戦士。彼らは、あなたが自分たちを召喚し、新たな戦いへ導いてくれるその時を待っている―。
「ダンジョンズ&ドラゴンズ」を念頭に置いて制作されたものの、版権を取得できなかったことからオリジナル作品としてリリースされた、と言われています。敵攻撃のインパクトの瞬間にレバーを後ろに入れると「ガード」できるのが大きな特徴でした(盾キャラのみ)。
キャプテンコマンドー(1991年)
西暦2026年。地球のみならず宇宙全体に蔓延る「犯罪超人」を一掃するため、キャプテンコマンドーら4人が立ち上がります。
カプコンがアメリカ市場も見据えて開発したといわれる作品です。カプコン系ベルトゲーの中で、ダッシュ()を最初に取り入れました。

1992年

ナイツ・オブ・ザ・ラウンド(1992年)
岩に突き立てられ、引き抜いた者のみが王位を継承できるという伝説の剣、エクスカリバー。誰も引き抜くことのできなかったこの剣を、青年アーサーが引き抜く―。
カプコン作品の中でもとりわけ操作が複雑で、初心者には敷居の高い一作。連続攻撃・つかみ攻撃からの脱却など、新たなベルトゲーの方向性を模索していた時期だと思われます。
天地を喰らうⅡ 赤壁の戦い(1992年)
1989年にリリースした作品の続編。今作はファイナルファイト系のベルトゲーとして開発されました。赤壁の戦い、そして曹操討伐までを描いています。使用可能キャラクターは5人に増加。特にアジア圏で大ヒットし、後に非公式バージョンがいくつも作られたそうです。
以降ほとんどのカプコン系ベルトゲーで取り入れられる対空攻撃(+)はここから。また、タックル(+)は、「エイリアンvs.プレデター」でも採用されました。

1993年

キャディラックス 恐竜新世紀(1993年)
26世紀、人間と恐竜が共存する時代。恐竜密猟者「ディノハンター」を撲滅するため、4人が立ち上がる―。
「キャプテンコマンドー」以来のダッシュ攻撃(+)が復活。多彩な武器が特徴的でした。全体的にダメージが高く、操作もシンプルに設計され、初心者向きの一作となっています。
パニッシャー(1993年)
海兵隊員フランク・キャッスルはセントラルパークでのピクニック中、ギャング抗争に巻き込まれ妻と2人の子の命を奪われる。海兵隊を辞職したフランクは私刑執行人「パニッシャー」として復讐劇を開始する―。
カプコンのアーケード向け基板「CPS」で製作されたベルトゲーの最終作で、本作まで2ボタン制が維持されました。それでいながら操作は直感的。銃火器の名システム「ガンモード」の導入など、ゲーム性は高く、近年再評価も著しい名作です。

1994年

ダンジョンズ&ドラゴンズ タワーオブドゥーム(1994年)
平和で豊かな国として繁栄する、ダロキン共和国。しかしある日を境に、各地のモンスターが街を襲い始める―。
性能が向上した基盤「CPS2」で製作されたベルトゲーの第一作で、1レバー4ボタン制になりました。使用可能キャラクターは4人で、それぞれ全く攻略法が異なります。「何度も遊ぶ」ことを前提にした名作です。
エイリアンvs.プレデター(1994年)
海上都市サンドラドに突如として現れた大量のエイリアン。軍から派遣されたダッチ・シェーファー少佐とリン・クロサワ中尉も次第に追い込まれ、死を覚悟する。しかしそこに現れるプレデター。4人は脱出を試みる―。
20年が経過した現在も色褪せることのない、ベルトゲーのひとつの究極形。カプコン発の作品群のみならず、全てのベルトゲーの中でも最高傑作との呼び声が高い、大傑作です。
パワードギア(1994年)
西暦2281年。半世紀に及ぶ、ライア星の領星権を巡る地球連合軍とライア公国との争いはいったん収束するものの、元ライア公国軍大尉「アズラエル」がライア公国に宣戦布告。公国の緊急通信を受けた地球連合政府は、軍隊を編成して派遣することを決定した。しかし地球連合政府の真意は、敵軍を一掃した後ライア星に軍隊を駐留させ、そのまま全土を制圧することだった―。
ベルトスクロール版フロントミッションというべき作品で、武器を換装できるのが魅力。

1996年

ダンジョンズ&ドラゴンズ シャドーオーバーミスタラ(1996年)
セーブルタワーの戦いから2年後。ダロキン共和国に平和をもたらした一行は、新たな旅を開始する。しかし戦いは終わっていなかった。一行が倒した不死王デイモスの背後にはドラゴン「シン」が潜んでおり、シンはその力でダロキンを罰しようとしていた―。
「役割分担しながら攻略する」という、複数人プレイの楽しさをさらに引き出した名作。

1997年

バトルサーキット(1997年)
20XX年。全身をサイボーグ化したサイバー・ブルーを始めとする5人の賞金稼ぎが、「天帝ディスク」を巡り、悪の化学者「Dr.サターン」、マフィア「デリート」との3つ巴の戦いを繰り広げます。
カプコンにしては珍しいコメディタッチの作品で、小振りながらこれまでの同社作品の集大成というべき作品に仕上げられています。