キャディラックス 恐竜新世紀

タイトル キャディラックス 恐竜新世紀
開発会社 カプコン
販売会社 カプコン
初出 アーケード、1993年
システム / (2ボタン)
キャラクター 4キャラクター▸3プレイヤー
ステージ数 8ステージ
戦う動機 恐竜密猟組織の壊滅

概要

「キャディラックス 恐竜新世紀」は、カプコンから1993年にアーケード向けにリリースされた作品です。アメリカのコミックを原作とする作品で、恐竜密猟者を相手に、4人の青年が立ち上がります。

「キャディラックス 恐竜新世紀」とは


Xenozoic Tales:After the End
Mark Schultz著
XENOZOIC TALES
マーク・シュルツによる、1986年から1996年にかけてリリースされたコミック「XENOZOIC TALES」(直訳:「ゼノゾイック物語」)が出発点。CBS放送アニメやカプコンからの本作が製作された際に「Cadillacs and Dinosaurs」(「キャディラックス 恐竜新世紀」)の名で放送・リリースされ、成功し、知名度を高めたそうです。コミックはキッチンシンク社やマーベル社から再版されており、知名度を優先したのか、そこでは本来の「XENOZOIC TALES」ではなく、「Cadillacs and Dinosaurs」の名でリリースされています。
「XENOZOIC TALES」の世界観
1990年代に地球を覆う「大洪水」("the Great Cataclysm")が発生し、人類は地下へと追いやられます。数百年を経て人類が地上に出たとき、その眼前にはかつてとは異なる世界が広がっていました。最も特異なのは、恐竜が生存していたことでした―。
地球上のかつての都市はほぼ壊滅。かろうじて旧ワシントンD.C.と旧マンハッタン(ニューヨーク)の都市は廃墟として残り、旧ワシントンD.C.は「Wassoon」として、旧マンハッタンは「City in the Sea」として存続します。主として「City in the Sea」を舞台に、恐竜密猟者、そして不当な政治体制との戦いを描いています。
本作のステージ1で背景に海面に沈んだ都市が見えるのは、「City in the Sea」を表現するためなのでしょうね。

ストーリー

26世紀初頭…人類と恐竜が共存してからしばらく経つ時代。
突如、どこからともなく密猟者が現れ、恐竜を虐殺し始めます。恐竜は暴れ狂い、世界は混沌としていました。この状況に対処するため、4人の勇敢な若者が結集します。

キャラクター

  • ジャック・テンレック
  • ハンナ・ダンディー
  • ムスタファ・カイロ
  • メス・オブラドヴィッチ
  • ジャック・テンレック

    Jack Tenrec
    自然を愛する熱き男。キャディラックスのリーダーであり、旧式の車「キャディラック」を心底気に入っている。
    原作では、「The Garage」と呼ばれる基地に住み、車を修理することで生活費を稼いでいる。天才メカニックで、ガソリンが手に入らないこの時代に、恐竜のフンで自動車が走るように改造できる腕を持っている。それだけでなく、恐竜と意思疎通できるテレパシー能力を持つ。本人は荒っぽい性格でヒーロー扱いされることを嫌うものの、その人望は厚く、政治家の数人からは自分の政治生命を脅かす存在として危険視されている。後述する「ハンナ・ダンディー」は、公私に渡るジャックのガールフレンド。
    「キャディラック」
    ジャックの愛車。ゼネラルモータースが現実に販売している高級車で、本ゲームに登場するモデルは、1948年型?ウィキペディアによれば、自動車業界初の曲面ガラス(フロントガラスが曲面になっている)を含めた先進的なデザインが大きな反響を呼んだのだそう。
    名称 コマンド ダメージ 備考
    移動 / 攻撃 / ジャンプ / /
    連続攻撃 7,7,12,23
    連続攻撃~投げ or 7,7,12,18 で前、で後ろに投げ
    ローリングヒールドロップ 28,12,3
    ダッシュ - orでも可
    スライディングキック 16,29
    ダッシュジャンプキック ダッシュジャンプ中 12,8
    ジャンプキック ジャンプ中 6
    急降下キック 垂直ジャンプ中、頂点で 12
    つかむ 敵に接触 -
    つかみ攻撃 つかみ中 8,12,12
    投げ つかみ中or 19
    ダイノアッパーカット + 16 体力を消費
    コンビネーションアタック 1P2P接近して少し待つ

    ハンナ・ダンディー

    Hannah Dundee
    冷静さを併せ持つ、女性の天才科学者。男性にも劣らない戦闘能力と、鉄のように固い意志を持っている。武器の使い手であり、他キャラクターよりも振りが速かったり、攻撃回数が増えるなど強化される。また三角跳びが可能。
    原作では、科学者であると同時に「Wassoon」(旧ワシントンD.C.に残った都市)の大使。「City in the Sea」との取引条約を締結するために「Wassoon」からやってきた。以来、ジャックと行動を共にする。
    名称 コマンド ダメージ 備考
    移動 / 攻撃 / ジャンプ / /
    連続攻撃 7,7,11,21 パンチ×2・肘・後ろ回し蹴り
    連続攻撃~投げ or 7,7,11,17 で前、で後ろに投げ
    ローリング&エルボー 9,4,3,25
    ダッシュ - orでも可
    フライング二ー 9,16
    ダッシュジャンプキック ダッシュジャンプ中 11
    ジャンプキック ジャンプ中 7
    急降下キック 垂直ジャンプ中、頂点で 12
    三角跳び ジャンプ中壁際で -
    つかむ 敵に接触 -
    つかみ攻撃 つかみ中 7,11,12 ビンタ×2・膝
    投げ つかみ中or 19
    スパイラルスマッシュ + 15 体力を消費
    コンビネーションアタック 1P2P接近して少し待つ
    ナイフ突き ナイフ所持時、接近して 17,17,16

    ムスタファ・カイロ

    Mustapha Cairo
    熟練したエンジニアの男性で、ジャックの友人。ユーモアのセンスがあり、ヒョウのように素早い。
    原作では「City in the Sea」のインフラの建設・維持の責任者を務めるエンジニア。「ウィルヘルミナ・シャーンホースト」の悪事を見抜くが目を付けられ、彼女が「City in the Sea」の議員になった後に投獄されそうになる。このとき投獄されたジャックを救出し、別の女性議員「ロレイン・ダールグレン」の支援を得て、レジスタンスを率いてシャーンホースト政治体制の転覆を試みる。
    「ウィルヘルミナ・シャーンホースト」 / Wilhelmina Scharnhorst
    大柄な「City in the Sea」の女性議員。地下貯蔵庫で働く人々「モールズ」を支配し、その貯蔵庫に、大洪水以前の高度な技術品を多数保存している。古典技術を使いこなすジャックらと対立する。「City in the Sea」の水供給権限を掌握しようとし、ムスタファに阻止されそうになるが、ムスタファが停電を引き起こしてしまったため、これを利用して議員となってしまう。
    「ロレイン・ダールグレン」 / Lorraine Dahlgren
    細身の「City in the Sea」の女性議員。議会の中で唯一シャーンホーストに反対の立場を採る人物で、それゆえジャックらから信頼を寄せられる。実は過去にジャックと関係があったようで、ハンナとは摩擦があった。表向きはシャーンホーストに従いつつも、ひっそりとムスタファやジャックらを支援する。
    名称 コマンド ダメージ 備考
    移動 / 攻撃 / ジャンプ / /
    連続攻撃 8,6,13,23 ジャブ×2・ソバット・後ろ回し蹴り
    連続攻撃~投げ or 8,6,13,15 で前、で後ろに投げ
    サマーソルトキック 23,11,6
    ダッシュ - orでも可
    ドロップキック 10,16
    ダッシュジャンプキック ダッシュジャンプ中 12,7
    ジャンプキック ジャンプ中 6
    急降下キック 垂直ジャンプ中、頂点で 12
    三角跳び ジャンプ中壁際で -
    つかむ 敵に接触 -
    つかみ攻撃 つかみ中 8,12,12 パンチ・膝・膝
    投げ つかみ中or 17
    トルネードキック + 17 体力を消費
    コンビネーションアタック 1P2P接近して少し待つ

    メス・オブラドヴィッチ

    Mess O'bradovich
    大柄の男性で普段は紳士的だが、いったん怒ると手がつけられない。全キャラクターの中で最も攻撃力が高い。「フライングラリアット」が得意技。
    原作では、実はほとんど登場していないキャラクターで、上記3人ともなじみが薄い。妻がいたが、悪人にその妻を殺されている。
    名称 コマンド ダメージ 備考
    移動 / 攻撃 / ジャンプ / /
    連続攻撃 9,11,13,28 ボディ×2・ボディ・アッパー
    連続攻撃~投げ or 9,11,13,24 で前、で後ろに投げ
    フライングボディドロップ 28,8,4,3
    ダッシュ - orでも可
    フライングボディプレス 18,29
    フライングラリアット ダッシュジャンプ中 18,11
    ジャンプキック ジャンプ中 8
    急降下キック 垂直ジャンプ中、頂点で 14
    つかむ 敵に接触 -
    つかみ攻撃 つかみ中 13,17,17 頭突き・膝・膝
    ワンハンドスラム つかみ中 25
    ブレーンバスター つかみ中 25
    ダイノブレイカー + 21 体力を消費
    コンビネーションアタック 1P2P接近して少し待つ

    ステージ

  • (EPISODE1)
    戦いは「City in the Sea」からスタート。「City in the Sea」は原作の主な舞台で、大洪水の中でも完全沈没を免れた旧マンハッタンをベースにした都市、という設定です。
  • EPISODE2 北の森へむかえ!
  • EPISODE3 地獄のロード
    ジャックの愛車・キャディラックが登場。フロントにポンプ状の器械が取りつけられているのは、おそらく、「恐竜の糞で走る」ようにジャックが取りつけたものだと思われます。このステージでは、キャディラックに乗らなくともなんとかステージクリアすることも可能。
  • EPISODE4 アジトをとりもどせ!
    ジャックの住む「The Garage」が舞台。ジャックの好きなキャディラックが並んでいるのが見えます。また「The Garage」は地熱で稼働している基地という設定からか、シーンが変わると背景で溶岩が流れています。
  • EPISODE5 火の村
  • EPISODE6 狂気の改造実験
  • EPISODE7 地下へ
    この地下は、かつて数百年前に大洪水が起きたときに、人類が生き残るために作り上げたもの。飛行機や車、そしてジャックとハンナが目を輝かせて見つけた旧時代の本棚などが残っています。
  • EPISODE8 最期の闘い
    最終ボス・フェデッセン博士は原作にも登場するキャラクターですが、原作では本作のような恐竜との合成人間ではなく、別の姿で描かれているそうです。
  • TIPS

    ワンポイント

  • 武器所持中にメガクラッシュ(+)をすると、武器を捨てることができる
  • 手りゅう弾は、で前方に投げつける
  • 作品解説

    オススメ度:
      1993年の作品で、カプコン発のアーケード向けベルトゲーとしては7作目です。特に目新しいシステムはありませんが、ヒット感覚の良さやダメージ値などはプレイヤーが爽快感を感じるよう設計されており、またコマンド技のバランスが良いなど、非常に基本に忠実といえる作りになっています。敵攻撃のダメージは高めであるものの、カプコン系の作品では珍しく、初心者にも敷居の低い作品に仕上げられています。
      原作はアメリカのコミック「XENOZOIC TALES」で、単なる恐竜密猟者の取物劇にとどまらず、大災害後の崩壊した都市での政治体制をも含めたストーリー展開、そして著者マーク・シュルツ氏の緻密なタッチが魅力でした。今そのカバーアートを見ても、グイグイと引き込まれるものがあります。
      ジャックもハンナも、知性と勇敢さを併せ持つ、本来とても魅力的なキャラクター。こういったキャラクター性や世界観が、本作では充分に表現されなかったのが残念!(本作は一般的に、アクション中の爆弾で肉塊が散らばることから「グロゲー」、デモ画面のグラフィック・セリフから「バカゲー」と認識されることが多いように思います。)
    なぜ都市が海面に沈んでいるのか、なぜ地底に飛行機や自動車が置かれているのか、何よりもなぜジャック達は戦っているのか…そういった理由が示されていたならば、より評価の高い作品となったかもしれません。アクション部分の出来が良いだけに、単にグロ・バカゲーとして記憶されるには惜しい一作です。


    タイトル キャディラックス 恐竜新世紀
    開発会社 カプコン
    販売会社 カプコン
    初出 アーケード、1993年
    システム / (2ボタン)
    キャラクター 4キャラクター▸3プレイヤー
    ステージ数 8ステージ