パニッシャー

タイトル パニッシャー
開発会社 カプコン
販売会社 カプコン
初出 アーケード、1993年
システム / / (1レバー2ボタン)
移植 ジェネシス、1994年
キャラクター パニッシャー(1P)
ニック・フューリー(2P)
ステージ数 6ステージ
戦う動機 復讐(パニッシャー)
任務遂行(ニック・フューリー)

概要

「パニッシャー」は、カプコンより1993年にアーケード向けにリリースされたベルトスクロールアクションゲームです。海外ではGenesis(海外版メガドライブ)に移植されています。

パニッシャーとは


Essential Punisher
Gerry Conway,
Archie Goodwin他
The Punisher
家族を奪われた元海兵隊員、フランク=キャッスルの復讐劇を中心とする、マーベルコミックスの1シリーズ。1974年に初登場した後、1984年から"The Punisher"というシリーズが開始されました。他のヒーローと異なり、犯人を冷酷に処刑する(=命を奪う)ため、警察にも追われています。ウィキによれば、本作がアメリカで支持されたのは、凶悪犯罪が多発し、市民がこれを制圧するヒーローを求めたからだ、という理由があるようです。

左の冊子はパニッシャー総集編というべき作品で、この表紙イラストは、パニッシャーが初登場した「アメイジングスパイダーマン」から。当初は、スパイダーマン暗殺を企む謎の男性でした。

コマンド技表

基本操作

名称 コマンド ダメージ / 備考
移動 / 攻撃 / ジャンプ / /
連続攻撃① 6,6,13,21
連続攻撃② 6,6,(24+18)
連続攻撃~投げ or 6,6,13,37
特殊技 13,26
ジャンプキック ジャンプ中 10
ローリング orでも可
ローリングキック 21
ローリングジャンプキック 10 / 頂点で40
三角飛び蹴り ジャンプ中壁に接触して 11
つかむ 敵に接触
つかみ攻撃 つかみ中 10,10,10
背負い投げ つかみ中or 37、デスリフト中も可
フライングメイヤー つかみ中 29、デスリフト中も可
イズナフォール つかみ中 26 / 頂点で43
デスリフト中も可
デスリフト 転んだ敵の上で
リフトスルー デスリフト中 37
メガクラッシュ + 10、体力を消費
ヘルスイング つかみ中+ 40、体力を消費
手榴弾 ジャンプ中+ 60、手榴弾を消費
手榴弾 体力0の時に+ 40、手榴弾を消費

ガンモード時の動作

本作の最大の魅力というべきシステム。敵が銃を構えていると、こちらも銃を構えて「ガンモード」に。画面に照準が現れ、弾数無制限で射撃できます。
名称 コマンド ダメージ / 備考
射撃 17
心臓撃ち つかみ中 26,26,26


ストーリー

アメリカ海兵隊所属の軍人、フランク・キャッスル。家族と共にセントラル・パークでピクニックをしていたところを、ギャング抗争に巻き込まれ、妻と2人の子の命を奪われてしまう。その日以来フランクは海兵隊を辞職し、私刑執行人「パニッシャー」として、ギャングへの復讐を誓う。

パニッシャー / フランク・キャッスル

家族を殺され、復讐のみを目的として生きている男。火器使用に長け、マーシャルアーツを得意とする武術の達人で、マーベルの中では「特殊能力のない人間」というとても珍しいキャラクター。マーベルコミックスでは1974年に初登場し、「アメイジングスパイダーマン」129話にて、スパイダーマン暗殺を企むキャラクターとしての登場だった。本ゲームでは、この時のコスチュームを忠実に再現している。後に、左のようなコンバットスタイルのコスチュームを着るようになった。
パニッシャー使用時にはやや非情なストーリー展開がなされる。特に、ステージ1クリア時に、ボス「スカリー」の命乞いに対し、情報を聞き出した揚句撃ち殺すシーンは有名。

ニック・フューリー

マーベルコミックスでは1963年に登場。左のコスチュームはパニッシャーのものじゃないの?と言われそうだが、実は初登場時はこのデザインだった。もとは米軍部隊員として描かれていたが、すぐにS.H.I.E.L.D.(スパイ組織)のエージェント、そしてその長官として登場するようになる。特殊薬物「インフィニティ・フォーミュラ」により老化を抑えており、若々しい外見を保っている。
コミック上では、フューリーは「私刑執行人」パニッシャーをS.H.I.E.L.D.施設に捕えた際、パニッシャーから家族殺害に関与していると疑われ、射殺されている。 白人でアイパッチが特徴的。ちなみに、後任のS.H.I.E.L.D.長官の中にはアフリカ系アメリカ人の者もおり、サミュエル・L・ジャクソンをモデルに描かれていたところ、その後マーベルの映画シリーズで実際にサミュエル氏がオファーされた、というのは有名な話。
本作では、パニッシャーとの性能にほんの少しだけ差異があるほか、ストーリー展開がややマイルドなものになっている。

キングピン

本作の最終ボス。本名ウィルソン・フィスク。幼少期は貧しく、またその肥満のためクラスメートにいじめられ、それ以降、肉弾戦を積み重ねて自らの肉体を鍛え上げる。ギャングに加入し、犯罪王ドン・リゴレットに見込まれボディーガードとなるが、最終的にはリゴレットを殺し、自ら犯罪王となった。
1967年に「アメイジング・スパイダーマン」第50話に登場したのが最初で、以降、スパイダーマンやデアデビル、そしてパニッシャーの前に立ち塞がる。

ステージ

ステージ1 犯罪処刑人

ブルーノの追跡を開始する2人の前に、ブルーノが雇った用心棒「スカリー」が立ちはだかる。シーン1のタルの中には体力回復アイテムのピザが入っており、上級者の中には、ボス戦にタルを持ち込む方も(タル持ち込みについては後述)。
BOSS:スカリー
忍術をマスターした殺し屋。体躯は非常に大きく力も強いが、それにもかかわらず素早いというのが特徴。

ステージ2 パンタベルデ城侵入

ブルーノの居場所を聞き出した2人は、プールからパンダベルデ城に侵入する。シーン2で捕えられている2人の美女は、扉を開いてあげた後に抱きしめると、体力回復。現実でもこうだといいですよね。ボス「ガードロイド」はいわゆるスーパーアーマーで、ひるみモーションが少ない。ローリング中のメガクラッシュ(+)が複数回ヒットする唯一の敵(ダメージは5×n)。
BOSS:ガードロイド
もともとはラトビリア国の支配者Dr.ドゥームの守衛として作られたロボットだったが、キングピンが盗んで再設計したもの。頭部にレーザーキャノンを備える。

ステージ3 X港の悪鬼

ギャングがX港に集まることを突き止め、そこに向かう。下半身を戦車に改造した大男「ボーンブレイカー」が立ち塞がる。
BOSS:ボーンブレイカー
サイボーグのギャングチーム“リーバーズ”に所属する原理主義者。巨大エンジンと重火器を体に装備することに志願する。歩く火薬庫であり、殺人マシーンでもある。

ステージ4 麻薬列車大爆破

アリゾナの地下に一大ケシ畑があることをつかんだパニッシャー。キングピンにダメージを与えるため、麻薬工場列車の爆発により燃やして「大きな花火」を打ち上げることを企む。
BOSS:ブッシュワーカー
殺し屋として生計を営む男。手術により、右腕を強力なマシンガンに変形させる能力を得る。

ステージ5 復讐のキングピン

麻薬工場爆破に怒り狂うキングピンにアジトを突き止められてしまったパニッシャー。敵を迎撃しながら脱出する。ボスとして再びガードロイドが登場するが、少しパワーアップしている。

ステージ6 The Punisher

遂に、キングピンのもとにたどり着く。いよいよ私刑執行の時…!


TIPS

別エンディング

1クレジットクリアすると、エンディングが少し豪華になります!

テクニック集

  • 拾いボーナス
    ステージで拾った武器、アイテム、ドラム缶などは全てカウントされ、ステージ終了時に拾った数に応じて得点ボーナスが与えられます。
  • タル持ち越し
    タルやドラム缶は、次シーンに移る際に持ち上げていれば、持ち越すことができます。中に体力回復アイテムの入っているタルやドラム缶が狙い目。うまくやると、ボス戦に体力回復アイテムを持ち越せます。
  • タル運び
    タルを持ち上げてを押すと、投げて壊してしまいます。ここは、ローリング()をしてみましょう。壊すことなく、タルを落とすことができます。タル持ち越しに必須のテクニックです。
  • 作品解説

    オススメ度:
    カプコンのアーケード用基盤、CPS1の最終ベルトゲー作品にして、ファイナルファイトと並ぶCPS1の大傑作。キャラクターのグラフィックサイズもファイナルファイト以上に大きくなり、大迫力でした。

    原作はマーベルコミックスの同名作品「パニッシャー」で、おどろおどろとした空気、緊迫感、復讐に燃えるパニッシャーとどこかスカしたニック・フューリーという2人の主人公、そういった雰囲気をグラフィックや音楽で忠実に再現したカプコンの表現力には圧倒されます。

    火器システム「ガンモード」は本作の大きな魅力で、トリガーを引いた直後に敵が被弾するというシステムを実現したのはお見事。また、必殺技や一定の投げ技については、インパクトの瞬間スローがかかるようになっています。これがスマッシュヒットを与えているような錯覚をもたらし、突き抜けた爽快感を味わえます。

    ニック・フューリーのグラフィックについてもこだわりがあるようです。ニックを操作して画面の右左どちらを向かせても、その眼帯は常に左のまま!通常のように、キャラクターグラフィックを左右で反転させるのではなく、顔だけは新たにグラフィックを用意したのでしょうね。スタッフの強いこだわりが伺えます。

    限られた容量の中で、驚くような発想を取り入れ、丁寧に作りこまれ、バランスもしっかりと調整されています。リリース直後はそのダークな雰囲気にプレイヤーから敬遠されていたように思いますが、現在では、その練られたシステムが高く再評価されている作品です。最高傑作レベルのベルトスクロールアクション作品です。