「ベア・ナックルⅢ」は、セガより1994年にメガドライブ向けにリリースされた作品です。隠しキャラクターを含め総勢10キャラクターが使用可能で、ルート分岐アリ・4種類のエンディングアリと、ファンサービス要素の集大成的な作品になっています。
ウッドオークシティ中央行政センター内でラクシンが崩壊し、半径3km以内の地域が放射能で汚染されるという事件が発生する。死者数は3万人、負傷者は8万人と推定され、翌日の新聞紙「ウッドオークタイムス」にて一面トップの大事件として扱われる。
また、このラクシン事件と同日、軍事最高司令官であるペトロフ将軍が、最高軍事会議の後に失踪したことも報じられる。
[ラクシン]
最近、キリー研究所所属のギルバート博士により発見された、原子番号122の原子。中性子と反応させると崩壊し、莫大な放射能を放出する。
[ペトロフ将軍]
軍事最高司令官の地位にある初老の男性で、本名はイワン・ペトロフ。リマ諸国との軋轢が強まる中、同諸国との開戦に反対する立場を取っている。それゆえ、今回の誘拐事件は、開戦推進グループによるものとの見方が強まっている。
警察庁特捜部の調査により、シンジケートとのつながりの深いキリー研究所からラクシンが流出していることが判明。これを受けて、特殊捜査課に所属する
アクセル、
ブレイズ、アダムは捜査を開始する。そこに、キリー研究所で研究していたという「
ザン」と名乗る男から通報が入り、波止場の倉庫にラクシン爆弾が仕掛けられているとの情報を得る。アクセルとブレイズ、そこに首を突っ込んできた
サミー、そしてザンの4人が波止場倉庫に向かい、アダムは別ルートでの捜査を継続する。
[アダム・ハンター]
第1作「ベア・ナックル」から登場している、アクセル・ブレイズの同僚かつ親友。2作目ではシンジケートの首領「Mr.X」に誘拐されるが、アクセルらの活躍により救出される。サミー・ハンターの良き兄でもある。
全7ラウンドが用意されています。分岐によりエンディングが4種類存在します。
▸詳細は
ステージ をどうぞ。
体力ゲージ横にある縦のメーターで、溜まっているときには体力を消費せずに必殺技を出すことができます。溜まっていない場合には体力を消費しますが、チャージメーターが多く溜まっているほど、体力を消費せずに済みます。MAXまで溜まるのもそれほど時間はかかりません。
今作ではスコアに応じ
の技が3段階に成長します(レベルは、体力バーの下の★の数で示されます)。1機失うごとにレベルが1段階下がります。ただしレベルアップするほど使えないと大不評。ちなみに6ボタンパッドを使用すると、最初から全4レベルを使用可能です。
オススメ度:
大傑作「ベア・ナックルⅡ 死闘への鎮魂歌」の続編として、1994年にリリースされた作品です。1994年という、ベルトゲーの成熟期だったこともあってか、本作も比較的高いレベルでまとまった良作だと評価されています。
本作の魅力は、多彩な技の数々と、いくつものステージギミック、そしてルート分岐でしょう。最大10キャラクターが使えるうえ、エンディングも4種類が用意されており、なんともシリーズ最終作にふさわしい作りこみ具合です。
ただ、前作を知るプレイヤーからはいささか不評も。最大の魅力であった破壊的な攻撃ダメージは軽減され、なんだかパンチも軽くなってしまいました。BGMも、古代祐三氏の名がかろうじてクレジットされてはいるものの、全2作のような緻密なチューニングはなく、耳障りの悪い音に(決してゴアトランス楽曲が悪いのではなく、あくまでもチューニングの点で、という意味です)。今作では古代氏は関与しておらず、同氏の楽曲をセガ社員がリミックスしただけでは、とも言われています。もし前作同様に、古代氏率いるエインシェントが開発・作曲を担当していたならば、違う形での進化が見られたのかもしれません。
しかしながら、本作には「ベア・ナックルシリーズの集大成を作る」という、開発陣の熱い心意気が詰まっています。ストーリーも十分すぎるほど練られており、往年のプレイヤーにとっては「あのキャラクターがこんな姿で登場!?」と驚くことでしょう。ぜひ一度は遊んでみてほしい一作です。