サイレントドラゴン(1992年)

タイトル サイレントドラゴン
開発会社 イーストテクノロジー
販売会社 タイトー
初出 アーケード、1992年
システム / (3ボタン)
キャラクター数 4キャラクター▸3プレイヤー
ステージ数 5ステージ

概要

「サイレントドラゴン」は、タイトーより1992年にアーケード向けに発売された作品です。開発はイーストテクノロジーが担当。オマージュかパクリか分からないくらい、他のゲームや映画からの設定の借用がみられます。

見どころ

  • すごくまじめに作られているようで、とんでもなく設定やグラフィックがぶっ飛んでいる点。例えばリーのジャンプ攻撃。えびぞりで合掌した両手を敵に突き立てるというモーションがすごすぎ!
  • 画面端に落ちているアイテムは拾えません!なんだか見えない壁があります。
  • アイテムを拾うと「Thank you!」の吹き出しが現れます。
  • 体力が少なくなると体力ゲージ横の顔画面が泣きだします。(しかもマジ泣き。)
  • ストーリー

    199X年、Dr.バイオが世界征服を企み、その科学力で生み出した怪人で人々を震撼させていました。その野望を打ち砕くため、4人の勇者が立ち上がります。

    キャラクター

    ジョー



    18歳の青年で、ブルージーンズに青い鉢巻をしている。15歳のときに両親を亡くし、それ以来世界を旅しながらあらゆる格闘技をマスターしてきた努力家。その割には、ゲーム中で彼が使う技は普通で少なめ。さらわれた恋人キャサリンを救うため立ち上がる。
    鉢巻は、髪の毛の上に巻き付ける髪in鉢巻派。汗かくとかゆくなるよね。あと拳が異様にデカい。
    ちなみにデモ画面のアップ画像は、ジャッキー・チェンの「バトルクリークブロー」のジャケットを元ネタにしていると思われるが、ジャケットのジャッキーはあんなアホ面していない。 割と使いやすい…というか唯一まともに扱えるキャラクター。
    名称 コマンド 備考
    移動 / 攻撃 / ジャンプ / /
    サマーソルトキック 体力を消費 / ジャンプ中可
    サマーソルトヒールドロップ 体力を消費
    連続攻撃 ジャブ×2~ボディ~ジャンピングアッパー
    ・ランダムで2発目以降にグロッキー化
    ・グロッキー状態の敵をつかむと髪つかみ
    ひざ蹴り~殴りつけ 髪つかみ中連打
    リフトアップ~投げ 髪つかみ中
    スライディング
    ジャンプ蹴り上げ 垂直ジャンプ中
    ジャンプキック 前ジャンプ中

    リー




    25歳のカンフーを使う青年。幼い頃から拳法家の父の英才教育を受け、16歳のときには天才拳法家として世界的に有名に。9年の間にいろいろ飽きちゃって、あんな変な攻撃モーションを身に付けたに違いない(特にジャンプ攻撃は必見)。連続攻撃なんて、フィニッシュブローの前に反撃されます…!
    顔は若かりし頃のジャッキー・チェンそっくりだが、赤い胴着に毒々しい紫のズボン、極めつけは白のカウボーイブーツという、ジャッキーでもチョイスしないような独特のファッションセンスを持つ。デモ画面でのニヤけ顔でこちらを見つめるアップ画像といい、本作のダダ滑り具合を表現するのに欠かせない重要キャラクター。
    1面ボス「アニマルキューピッド」は、Dr.バイオがリーの弟の肉体を用いて造ったバイオロイド。リーがDr.バイオを倒そうとする理由は、ここにあるのかもしれないですね。
    名称 コマンド 備考
    移動 / 攻撃 / ジャンプ / /
    サマーソルトキック 体力を消費 / ジャンプ中可
    オーバーヘッドキック 体力を消費
    連続攻撃 指突き×2~アッパー~裏拳
    ランダムで2発目以降にグロッキー化
    グロッキー状態の敵をつかむと髪つかみ
    ひざ蹴り~殴りつけ 髪つかみ中連打
    リフトアップ~投げ 髪つかみ中
    スライディング
    ジャンピングソバット 垂直ジャンプ中
    えびぞり合掌 前ジャンプ中

    カトー

    23歳、忍者。バックグラウンドは全くのNO DATA。忍者というものっそ特殊な存在なのに、リーが濃すぎて存在感がかなり薄れている。ソニーとグラフィックを使いまわしているのもその一因。みなさん23歳のとき何してました?私は少なくとも忍者になろうとは思ってなかったなあ。
    海外ヒットを目論む開発陣が「アメリカ人はニンジャ大好き」を聞きつけて作ったに違いない。必殺技はトリプルアクセル的な技だが、着地時に姿勢を低くして掌底を出すのはなんでなんだぜ。
    「今だそのマスクの下の顔を知る者はいない。どこからやって来たのか?どこでその技を身につけたのか?すべてが謎に包まれている」(フライヤーの説明から引用)こんな投げ過ぎな設定も、本作では魅力的。
    名称 コマンド 備考
    移動 / 攻撃 / ジャンプ / /
    ダブルキック 体力を消費
    スピン攻撃 体力を消費 / ジャンプ中可
    連続攻撃 水平チョップ×2~垂直チョップ
    ランダムで2発目以降にグロッキー化
    グロッキー状態の敵をつかむと髪つかみ
    ひざ蹴り~殴りつけ 髪つかみ中連打
    リフトアップ~投げ 髪つかみ中
    スライディング
    開き両掌底 垂直ジャンプ中
    ジャンピングエルボー 前ジャンプ中

    ソニー

    30歳。元海兵隊員だったが、その凶暴な性格から強制除隊された、筋骨隆々の大男。キャサリンの兄。
    スペックもグラフィックもカトーと全く同じで、違うのは必殺技グラフィックくらい。キャラクターグラフィックは、カトーの顔だけターミネーターに書き換えたのがすぐにわかる。デモ画面には登場せず、フライヤー表面に上書きで小さく付け加えられているという謎人物。しかも「4人同時プレイ可能」の文字に隠れてるよ!(ただ実際には、3人バージョンのみ出回ったような気もする)同年「ターミネーター2」が大ヒットしてるんで、ヒットを目論む開発陣が急遽作ったのだろうと、誰もが考えるところ。
    名称 コマンド 備考
    移動 / 攻撃 / ジャンプ / /
    ダブルハイキック 体力を消費
    スピニングダブルナックル 体力を消費 / ジャンプ中可
    連続攻撃 水平チョップ×2~垂直チョップ
    ランダムで2発目以降にグロッキー化
    グロッキー状態の敵をつかむと髪つかみ
    ひざ蹴り~殴りつけ 髪つかみ中連打
    リフトアップ~投げ 髪つかみ中
    スライディング
    開き両掌底 垂直ジャンプ中
    ジャンピングエルボー 前ジャンプ中

    Dr.バイオ

    世界初のバイオシステムを開発した、生物工学の学者。自らを肉体改造してまで世界征服を企む。
    本作の最終ボス。

    TIPS

    システム

  • パワーUP
    金色のアイテムを拾うと「パワーUP」状態に。必殺技を使っても体力を消費しません!
  • クレジットで体力回復
    体力が半分以下のときにコインを入れてスタートボタンを押すと、①体力が全回復し、②パワーUP状態になります。 ただでさえ微妙な仕様なんですが、も一回コイン入れるなんてなかなかない作品なんで、この仕様自体みんな知らないという。さすがサイレント。
  • 作品解説

    オススメ度: 個人的好き度:
    1992年の作品です。オリジナリティが皆無という点で非常に有名な一作です。キャラクター設定・グラフィックは有名映画ジャケットを下敷きにしていたり、システム面でも「ファイナルファイト」と「ダブルドラゴン」のいいとこ取りを狙って(失敗して)いるなど、とても突っ込みどころの多い作品です。1面の中ボスがお相撲さんなのも、「忍者龍剣伝」から借用しているのかもしれません。
    本作を開発した「イーストテクノロジー」は、「ダブルドラゴン3 ロゼッタ・ストーン」のアーケード版を開発した会社でもあります。シューティングゲームメーカーとしては一定の評価を受ける一方で、ベルトゲーメーカーとしては非常に評価の低い会社でした。
    面白い映画やゲームのアイデアをたくさん借用していながら、仕上がりはなんとも言えないダメ具合。キャラクターについても、みな戦闘のエキスパートのはずなのに、体力が少なくなると情けない顔で泣き出します。終始ブレのないところが、かえって素晴らしいのかもしれません。あまりの借用っぷりに怒りを覚えそうなものですが、なぜか嫌いにはなれないのが不思議です。憎めない怪作です。

    タイトル サイレントドラゴン
    開発会社 イーストテクノロジー
    販売会社 タイトー
    初出 アーケード、1992年
    システム / (3ボタン)
    キャラクター数 4キャラクター▸3プレイヤー
    ステージ数 5ステージ