ビッグファイト(1992年 / 辰巳電子工業)

タイトル ビッグファイト
開発会社 辰巳電子工業
販売会社 辰巳電子工業
初出 アーケード、1992年
システム / (2ボタン)
キャラクター数 8キャラクター▸2人同時プレイ
ステージ数 6ステージ
戦う動機 シージャック事件の解決
  • 概要
  • ストーリー
  • ステージ
  • コマンド技表
  • キャラクター
  • TIPS
  • 概要

    「ビッグ・ファイト」は、1992年に辰巳電子工業からアーケード向けにリリースされた、ベルトスクロールアクションゲームです。最初は3人のキャラクターしか選べませんが、ステージを追うごとに、最大8人の中からキャラクター選択できるようになります。また、3つのルートが用意されている、コマンド技が用意されている、対戦モードがあるなど、非常に意欲的な作品です。

    見どころ

  • プレイアブルキャラクターが8人もいる!
    当時大ヒットした「ストリートファイターⅡ」の影響か、プレイアブルキャラクターの数は最大級の8人!
  • ルート分岐がある!
    ステージ1の途中で3つのルートを選択できます。仲間になるキャラクターの順番が変わるので、戦略的です。
  • 怒る!(アンガーパワー)
    体力25%以下でダウンすると、ボタン連打せよとの表示。成功するとアンガーパワー状態になり、攻撃に炎エフェクトが付き、投げが強化されます。
  • 対戦できる!
    タイトル画面で対戦モードを選択可能(2コイン必要)。やはりストⅡの影響?出来はあまりよくなかったですが…
  • ストーリー

    19XX年、大西洋に浮かぶ戦艦スケルトンクルー号が、マッドサイエンティストのDr.Dに秘密裏に占領される。その占領を解くため、3人の戦士―ケビン、ジル、ギアがヘリコプターでスケルトンクルーに乗り込む。
    スケルトンクルー号には、Dr.Dに洗脳された、インディアンハーフのガルーダ、鞭使いの達人メベーラ、古代エジプトの支配者であり棺に納められていたファラオの3人が待ち受けていた。さらには、スケルトンクルーに搭乗していたゴンザ、チェンもがケビンらを待ち構える。この5人の洗脳を解き、仲間に加えつつ、ケビンらはDr.Dの下へ向かう。

    戦艦スケルトンクルー号

    戦艦の名が付いているものの、実質は豪華客船。客室、カジノルーム、果ては水族館やディスコを完備。内部には多数の一般人乗客がおり、掃除のおじさんなどもいてリアル。エンディングで主人公らに爆破されます。笑顔で泳ぐ主人公達の後ろで沈没していたけれど、乗客は大丈夫だったと信じたいです。

    ステージ

    スケルトンクルー号の中の各ドックを進みながら、Dr.Dのいる部屋を目指します。ステージ1の中盤で3つのルートを選択できます。
    【煙突ルート】(Funnel)
    メベーラ▸ファラオ▸ゴンザ▸ガルーダ▸チェン の順に仲間になります。
    【ガーデンプールルート】(Garden Pool)
    ガルーダ▸ゴンザ▸チェン▸ファラオ▸メベーラ の順に仲間になります。
    オススメ。
    【水族館ルート】(Aquarium)
    ファラオ▸チェン▸メベーラ▸ゴンザ▸ガルーダ の順に仲間になります。

    コマンド技表

    名称 コマンド 備考
    移動 / パンチ / キック / /
    連続攻撃
    引き寄せ連続攻撃 ヒットorガード▸ 距離近い場合のみ
    パンチを引っ込めたあたりで入力
    フィニッシュブロー +
    必殺技 + 体力を消費
    ガード 押しながら
    ジャンプ攻撃① 垂直ジャンプ中
    ジャンプ攻撃② 前ジャンプ中
    ジャンプ攻撃③ ジャンプ中 ダウン中にもヒット
    つかみ 敵に接触
    つかみ攻撃① つかみ中
    つかみ攻撃② つかみ中 or

    キャラクター

    ケビン

    イギリス出身の23歳の男性。バランス型。マッハパンチは春麗の百烈キック的な技だが、与えるダメージは連続攻撃よりも低い。全キャラクター通していえることだけど、空中投げが最強。
    名称 コマンド 備考
    マッハパンチ 素早く連打
    空中巴投げ つかみ中

    ジル

    カンフー使いのレオタードを履く女性、21歳。テキサス州出身。キャラデザインが古い!?フライングニードロップはダウン中の相手に当たる場合もあり、使い勝手は良好。ローリングキックは新体操のように両手を掲げた後、高速で連続前転しながら前方に突っ込む荒技。
    名称 コマンド 備考
    フライングニードロップ
    ローリングキック
    空中投げ つかみ中

    ギア

    レスリングの得意なアメリカ海軍大佐の男性、32歳。イリノイ州出身。動きが遅く、パワー型の設定だと思われる。ドラゴンスクリューは、あのプロレス技のドラゴンスクリューとは全く別で、頭上で敵をぶんぶん回して投げる。
    名称 コマンド 備考
    空中投げ つかみ中
    ドラゴンスクリュー つかみ中

    ガルーダ

    インディアンハーフの男性で、Dr.Dに仕えていた。フェザーウェイブは飛び道具で使い勝手が良い。パイルドライバーは通常の投げと似たモーション。
    名称 コマンド 備考
    フェザーウェイブ
    パイルドライバー つかみ中

    メベーラ

    23歳の女性で、Dr.Dに仕えていた。ボンテージファッションに身を包み、鞭を扱う。鞭の分だけリーチは長いものの、攻撃速度が遅くやや扱いづらい!? 攻撃アイテムを使えないのも特徴的。
    名称 コマンド 備考
    ストンピング ダウン中の敵の上で
    ネッククラッシュ つかみ中

    ファラオ

    名の通りファラオで、Dr.Dに仕えていた。年齢も血液型も不明。ツタンバードはドリルヘッドで相手に突っ込む技。
    名称 コマンド 備考
    スライディング
    ツタンバード

    チェン

    デモ画面で解説されないキャラクター。見た目は笑顔の止まらないおじさん。青龍刀を持ち、メベーラ同様攻撃アイテムを使えない。飛龍双剣は縦回転しながら突っ込む技、竜神念力は合掌した手からドラゴンを放つ飛び道具。
    名称 コマンド 備考
    飛龍双剣
    竜神念力

    ゴンザ

    デモ画面で解説されないキャラクター。見た目はエドモンド本田そっくり。飛び道具のリモコンゲタがかなり使える。
    名称 コマンド 備考
    リモコンゲタ
    ゴンザシュタイナー


    TIPS

    作品解説

    オススメ度:
    ベルトスクロールアクションゲーム旋風が吹き荒れていた1992年にリリースされました。辰巳電子工業は今やプリクラマシン製造に注力していますが、もともとは筐体一体型のビデオゲーム製造業社としてスタートされたようです。
    「ビッグファイト」は、作りは比較的丁寧なのですが、キャラクターデザインやグラフィックがいささか古く感じられます。紹介しているサイトも、日本・海外ともに少なく、知名度の著しく低い作品です。

    しかしながら、開発陣の熱意がとても伝わる作品で、個人的には素晴らしい作品ではないかと思っています。1992年の時点で、キャラクターを8人使えるベルトスクロールアクションゲームはありませんでしたし、ルート選択を取り入れた作品もまだまだほんの僅かでした(ルート選択といっても、実はステージの出現順番を変えているだけなんですが、いかんせん仲間になるキャラクターの順番が変わるので、地味に戦略に大きな影響を与えています)。

    特にすごいと思うのは、疑似3Dの表現。多くのベルトゲーの場合、遠近感の表現として、フロアに斜め線を入れて終わりであることが多いです。しかし本作では、フロア部分をラスタスクロールで、柱などを複数のスプライトで立体的に見せています。ラスタスクロールを取り入れた作品はありますが(バトルトード イン バトルマニアック(SFC、1994年)など。こちらのラスタスクロールも絶品です!)、柱などの背景立体物にもこだわりがある作品は少ないのではないかと思います。これはぜひ、YouTubeなどでご覧になってほしい!そして、近年のベルトゲーにもぜひ取り入れられてほしい!今ではポリゴンで背景描写も可能ですが、本作の表現には、往年のセガの3D表現にあったワクワク感を大いに味わえると思います。

    確かにゲームバランスとしては大味な部分のある一作です。しかし、決してクソゲーと切り捨てられない、技術的にも優れた、愛情にあふれた一作です。

    タイトル ビッグファイト
    開発会社 辰巳電子工業
    販売会社 辰巳電子工業
    初出 アーケード、1992年
    システム / (2ボタン)
    キャラクター数 8キャラクター▸2人同時プレイ
    ステージ数 6ステージ