バットマンリターンズ(1993年 / コナミ)

タイトル バットマンリターンズ
販売会社 コナミ
初出 スーパーファミコン、1993年
システム / (5ボタン)
キャラクター数 1キャラクター▸1P専用
ステージ数 7ステージ
戦う動機 街の治安

概要

「バットマンリターンズ」は、コナミより1993年にスーパーファミコン向けに発売された、ベルトスクロールアクションゲームです。使用可能キャラクターはバットマンのみ。1人プレイ専用の作品です。
グラフィック、演出ともに原作に忠実な作品で、1面ボス戦では、原作の「犯人の背後のレンガ壁をスピアガンで引っこ抜き、犯人にぶつける」という演出まで実現できてしまいます。また作りが丁寧で、攻撃をヒットさせる時の爽快感、ダメージ数値設定、重厚な音楽、いずれも良く練られています。数あるSFCベルトスクロールアクションゲームの中でも、屈指の出来栄えです。

ストーリー

漆黒の闇の中で、まるで街そのものが生きているかのような都市、ゴッサム・シティ。 物語は、バットマンがジョーカーを倒した後頃から始まります。新たに現れたのが、怪人ザ・ペンギンと、夜の女王キャット・ウーマン。 果たして、誰が真のヒーローになるのか…?

バットマン / ブルース・ウェイン

ウェイン家の御曹司で、ゴッサムシティの大企業、ウェイン・エンタープライズの筆頭株主。幼い頃に両親を強盗に殺されている。昼はプレイボーイを装いつつ、夜はバットマンのスーツに身を包んで犯罪者と戦う。刑罰法規上はバットマン自身も犯罪者であるため、警察からは、その中の一部の者を除き、敵視されている。

キャット・ウーマン / セリーナ・カイル

ゴッサムシティの実業家、マックス・シュレックの秘書。シュレックの発電所工作によるシティ支配の野望に気付いてしまい、口封じのためにビルから突き落とされてしまう。猫の魔力により蘇り、キャットウーマンとなって復讐を誓う。バットマンを倒そうとするも、正体であるブルースとは互いに惹かれあっていく。

ペンギン / オズワルド・チェスターフィールド・コブルポット

名家の長男として誕生するが、その奇妙な外見ゆえ、誕生直後のクリスマスに実の両親によって下水道に捨てられる。その後、閉鎖された動物園に置き去りにされたペンギン達に育てられる。奇形サーカスに入団するなどして仲間を増やしつつ、下水道を通じて犯罪を繰り返していく。
アイデンティティを求めて地上に出て、実業家マックス・シュレックと通謀し、市長選に立候補。当初は計算された行動で人気を得るが、ねじ曲がった性格からの発言が元でバットマンに失脚させられる。自分を簡単に見捨てたシュレック・愛され育つ全ての子供・バットマンに対する復讐を誓うが、失敗に終わり、最期は「氷水でもいいから…」と、喉の渇きを訴えたペンギンの最後を聞き届けたペットのペンギン達に見取られ、池の中に静かに沈んで逝った。

操作方法

バトル 操作方法

名称 コマンド ダメージ 備考
移動
連続攻撃 6,6,8,11
スピアアタック + 15 体力を消費
ジャンプキック 垂直ジャンプ中
前ジャンプ中
7
7
フライングボディプレス ジャンプ中 12
つかむ 敵に接触する
ヘッドバット~回し蹴り つかみ中 8,8,11
叩きつけ つかみ中or 14
壁叩きつけ つかみ中 16 画面奥に壁ある場合
ダブルヘッドスマッシュ 二人つかみ中 18
バット・ラング バット・ラング選択中 0 で切替
スピアガン スピアガン選択中 7 で切替
体力を消費
ガード or ダメージを抑える
バット試験管 ガード中 40 ザコ:全滅
ストックを消費

タイミング 操作方法

名称 コマンド 備考
移動
バット・ラング 接近時はパンチ
ジャンプ
スピアガン で斜め上に、で前に撃つ
ワイヤー張った後、で飛び移り、で解除
ガード or ダメージを抑える
バット試験管 ガード中 ストックを消費

カーアクション 操作方法

名称 コマンド 備考
加速・減速
左右移動
バット・ディスク or


ステージ

  • ステージ1 バットマン登場
    バトル→タイミングと続きます。このタイミングステージでは、まだスピアガンは役に立ちません。 ボス戦では、ボスの背後に向けてスピアガンを打つと、壁をはぎ取ることができます(ただしダメージはなし)。映画同様の展開を楽しむことができます。
  • ステージ2 バトル イン ゴッサムシティストリート
  • ステージ3 キャット・ウーマン
    ゴンドラを上る途中に敵が降ってきます。ゴンドラ中央に立っていれば、窓ガラスが割れるのを確認してからでも避けられます。 ゴンドラを上りきると「GO」と表示されますが、そのまま進むと落ちます。敵キャラクター以上に曲者です。スピアガンで移動してください。 ボス、キャットウーマンは、本作の中でも相当の強敵。比較的フライングボディプレスが有効です。ステージ2までにバット試験管をストックし続け、ここですべて消費する戦術も、かなり有効です(それくらいの強敵です)。
  • ステージ4 ザ・ペンギンの罠
    ボスのペンギンは、ずば抜けて耐久力が高く、何度も攻撃する必要があります。
  • ステージ5 バットモービル出動!
    唯一のカーアクションのステージです。
  • ステージ6 サーカストレイン
    バトル→バトル、のステージ。ここではスピアガンが大活躍!シーン1の中盤から、前方より何度も鉄骨が迫ってきます。ジャンプで避ける必要がありますが、スピアガンを使うと容易に避けることができます。スピアガンは、敵にヒットさせない限り、自らの体力を消費しません。
  • ステージ7 ラストバトル イン アークティック・ワールド
    アヒルのおもちゃ戦は、突っ込んできたアヒルに対して垂直ジャンプ~ちょっとジャンプ中前進すると、ちょうどいいタイミングでアヒルと台車の間に逃れられます。すかさず降りてアヒルのプレスを避け、アヒルに3~4発撃ちこんでください。 ラスボスのペンギンは、画面上方に浮上したら急降下アタックを仕掛けてくる合図。奥手前運動で避けてください。また、残像が付いている間は無敵だということも知っておくとよいです。途中、止まってからの体当たりは、ひし形状の軌道で移動します。止まった時にペンギンの奥か手前にいれば、1発目は必ず避けられます。 ここまで来たら、エンディングはあとわずか。かなりパターン性の強い本作ですが、がんばってみてください。
  • TIPS

    ワンポイント

  • 「バット・ラング()で敵を硬直させる」→「近づいて攻撃」が基本戦術。バット・ラングで、バットマンのパンチのリーチの短さを補えます。ただし、ザコにのみ通用する戦術です。
  • 画面奥に壁がない場合に奥投げ(つかみ中)を入力すると、回し蹴り(つかみ中)に化ける。コマンドを「つかみ中 or 」とすることで、壁がある場合には奥投げ、壁がない場合には通常投げに。
  • フライングボディプレス(ジャンプ中)は、攻撃範囲が広いうえにダメージもかなり高い。コマンドをジャンプ直後に入力すると、遠くまで飛んでくれます。
  • バット試験管はザコ敵を全滅させ、ボスにも大ダメージを与える、まさに"必殺技"。使い切っても必ず次ステージで補充されるので、積極的に使っていくことをおすすめします。
  • エンディングはレベルにより変化。最高レベルでクリアすると、"Dark Knight"の称号をもらえます。
  • 裏技

  • 残機を9まで増やせる
    ①オプション画面を開く
    ②コントローラ2で、の順に入力する
    ③音が鳴ると成功。
  • コンティニュー回数が9になる
    ①オプション画面を開く
    ②コントローラ2で、の順に入力する
    ③音が鳴ると成功。
  • 作品解説

    オススメ度:
    使用可能キャラクターはバットマンのみで、同時プレイ可能人数も1人。映画自体は当初相棒のロビンを登場させる予定でしたが、脚本の変更によりカットされてしまったようです。もしかしたら、コナミ側もロビンを登場させる予定だったのかもしれません。
    ベルトスクロールアクション部分である「バトル」は、一般的な作品同様、アドリブが十分に効きます。一方、サイドビューアクションの「タイミング」は、古き良き時代のファミコンの覚えゲーを連想させます。覚えゲーであるのに楽しい、すなわち覚えてでも先に進みたいと思わせてくれるのは、緻密な世界観や高い操作レスポンスのおかげで、プレイヤーを引き込むからなのでしょう。
    スタッフが、細かいところまで突き詰めて開発していったことがうかがわれます。敵の思考ルーチンがやや厳しめですが、本作が映画の世界観を緻密に表現していることからすると、やむを得ない印象です。また、やはり2人でプレイできたら良かったのに…と考えてしまうのですが、そこは原作である映画を忠実に反映させたため。結果的には、世界観が保たれて良かったのではないかと思います。スタッフの、作品に対するこの上ない愛情を感じさせる、優れた一作です。


    タイトル バットマンリターンズ
    販売会社 コナミ
    初出 スーパーファミコン、1993年
    システム / (5ボタン)
    キャラクター数 1キャラクター▸1P専用
    ステージ数 7ステージ
    戦う動機 街の治安

    バットマン旧4部作

    バットマン
    ティム・バートン監督、1989年

    J・ニコルソン演じるジョーカーとの戦いを描く。バートンの陰鬱な世界観が素晴らしい。

    バットマンリターンズ
    ティム・バートン監督、1992年

    バートン版2作目。本ゲームの原作となった映画です。ペンギン男の被差別の苦しみ、キャットウーマンの上司への復讐、バットマンとキャットウーマンの叶わない恋を主軸に、独特の世界観が展開していきます。

    バットマンフォーエヴァー
    ジョエル・シューマッカー監督 1995年

    一転して明るい作風に。旧4部作の中では最もヒットした作品。J・キャリーの演技が素晴らしい!

    バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲
    ジョエル・シュマッカー監督 1997年

    シュワちゃんが悪役に。迷走してしまった一作。


    バットマン新3部作

    バットマン ビギンズ
    クリストファー・ノーラン監督、2005年

    ノーラン版バットマン第1作目。おとぎ話から抜け出し、バットマンの世界観と現実世界との調和を試みた一作。「人はなぜ堕ちるのか?」「それは這い上がることを学ぶためです」。本作でブルースが希望を取り戻す過程は、多くの人を勇気づけました。

    ダークナイト
    クリストファー・ノーラン監督、2008年

    ノーラン版第2作目。正義を自負する者が存在するから、システムとしての悪が現れるのだ、という深い話。世界中で絶賛され、シリーズ最高傑作との呼び声も高い。H・レジャーの神演技が全て食ってしまいましたね。

    ダークナイト ライジング
    クリストファー・ノーラン監督、2012年

    ノーラン版最終作。作り込まれてはいるものの、いつものノーランらしいストーリーの整合性が弱い印象。最後にロビンが「登場」することから、続編の可能性アリ!?