ワイルドファング(テクモ / 1989年)

タイトル ワイルドファング
開発会社 テクモ
販売会社 テクモ
初出 アーケード、1989年
システム / (3ボタン)
キャラクター数 1キャラクター▸1P2P固定
ほか3キャラクターのしもべを召喚可能
ステージ数 5ステージ
戦う動機

概要

「ワイルドファング」は、1989年にテクモがアーケード向けにリリースした、ベルトスクロールアクションゲームです。

見どころ - 「しもべチェンジ」システム

「しもべチェンジ」
本作の主人公「鬼神使い」は、しもべに乗って戦います。
道中、任意に「しもべ」を変えられるのが、本作の最大の魅力です。
時にはしもべを失い、鬼神使い自身で戦わなければならないことも…!

ストーリー

直接的なストーリー描写はありません。デモ画面やフライヤーからは、以下のようなストーリーが読み取れます。
二足歩行し、人間の数倍の大きさの体を持つ獣人が、突如人間を襲い始め、残虐にその命を奪っていくようになりました。そこに2人の人間の男性が立ち上がります。彼らは、「スモークマン」「タイガー」を召喚してその背に乗り、獣人の住む城に乗り込みます。

キャラクター


鬼神使い

スモークマン

タイガー

ドラゴン

鬼神使い



鬼神使い
残虐の限りを尽くす獣人に対して立ち上がった、2人の男性。自身よりも巨大な2体のしもべ(スモークマン、タイガー)を召喚してその上に乗り、戦う。時にドラゴンを召喚することもあり、その際には無類の強さを発揮する。
稀にだが、敵攻撃のダメージや鬼神使いの体力次第では、しもべから転げ落ち、単身で戦わざるを得ないことも。
  • 鬼神使いのみで戦う
    条件は明確ではないが、敵攻撃を受けて体力がちょうどゼロになると、鬼神使いがしもべから落ちて単身で戦う状態になる。
    ・体力回復アイテム ⇒ 回復しない
    ・しもべチェンジ  ⇒ できない(ドラゴンのみ可)
    ・ステージクリア  ⇒ 体力全回復するが、しもべは復活しない

    一撃死、攻撃力が低い、タイムアップとの戦いであるなど、超絶難しいゲームになるぞ!ある意味では、本作本来の戦い方かな!? 腕に自信のあるプレイヤーは挑戦してみよう!
  • 名称 コマンド 備考
    アタック ×14 剣投げ×14
    15/210
    アクセスアタック 敵の頭上にジャンプ▸×14 剣刺し×14
    ジャンプ
    しもべチェンジ - 不可
  • コマンドは、右向き時のものです。

  • スモークマン

    スモークマン
    しもべのうちの1体。巨大な男で、鬼神使いを肩に乗せ、打撃で戦う。リーチが短いものの攻撃力が高い。短時間で敵を倒せるのが最大のメリットで、基本的にはこのスモークマンで戦うとよい。3発攻撃ヒットでワンセットダメージを与えるなど、「忍者龍剣伝」の感覚に近い。
  • タイガーよりも攻撃力が高い
  • ライフがゼロになるとしもべチェンジできない
  • 名称 コマンド 備考
    アタック ×3 パンチ×2▸キック
    70/210
    アクセスアタック 敵の頭上にジャンプ▸×3 マウントパンチ
    ジャンプ
    しもべチェンジ タイガーにチェンジ
  • コマンドは、右向き時のものです。

  • タイガー

    タイガー
    しもべのうちの1体。アクセスアタックの時のみ、敵の首に噛み付いて回転攻撃する。タイガーに乗った鬼神使いは武器をモーニングスター(鎖付きの鉄球)に変え、リーチの長い攻撃が可能。

  • 移動スピードが速いわけではない。本作では、4キャラの移動速度は皆同じだ
  • スモークマンよりもリーチが長い
  • ライフがゼロになるとしもべチェンジできない
  • 小ネタ
    タイガーのアクセスアタックは、1発目だけ自動で出る(ジャンプで敵の頭上に乗った直後)。1発目を繰り返すことで敵を倒すこともできる。また、回転方向は、+か、+で任意に選べるぞ。
  • 名称 コマンド 備考
    アタック ×5 モーニングスター×5
    42/210
    アクセスアタック 敵の頭上にジャンプ▸×6 回転噛み付き
    30/210
    ジャンプ
    しもべチェンジ スモークマンにチェンジ
  • コマンドは、右向き時のものです。

  • ドラゴン

    ドラゴン
    「召喚の玉」によって召喚できる、鬼神(イフリート)。口から吐く光線は、たとえボスであろうと一撃で殺す。
  • 小ネタ
    約15秒乗り続けられる。しかし、を連打すれば、18秒まで乗り続けられることも!?
  • 名称 コマンド 備考
    アタック 光線(レーザー)
    840/210

    ステージ

  • ラウンド1
  • ラウンド2
  • ラウンド3
  • ラウンド4
  • ラウンド5
  • TIPS

    ワンポイント

  • ザコ敵は、体力2メモリ。ボスは、体力4メモリ
  • プレイヤーの1セット攻撃で、体力1メモリを奪う
  • 「しもべチェンジ」直後は無敵時間があるので、うまく使おう
  • 比較表

    コマンド 鬼神使い スモークマン タイガー ドラゴン
    短剣投げ
    14発
    パンチキック
    3発
    モーニングスター
    5発
    レーザー
    1発
    ジャンプ ジャンプ ジャンプ -
    アクセス
    アタック
    首に短剣を刺す
    14発
    パンチ
    3発
    首切り
    7発
    -
    リーチ 3位 4位 2位 1位

    作品解説

    オススメ度:
    1989年7月にアーケードにてリリースされた作品です。同年2月に、テクモはアーケード向けに「忍者龍剣伝」をリリースしていますが、本作はそこからわずか5か月後にリリースされました。本作は、プレイヤーキャラクターの挙動・敵の体力・ステージ構成の点で「忍者龍剣伝」に良く似ており、「忍者龍剣伝」の基本システムを用いて製作されたものと推測されます。

    道中でのキャラクターチェンジを可能にした一作
    1989年に入り、ベルトゲー界でも、キャラクターセレクト制を取り入れる作品が現れ始めます。「天地を喰らう」(カプコン、1989年4月)や、「ゴールデンアックス」(セガ、1989年5月)です。これらの作品は、「異なる性能のプレイアブルキャラクターによる攻略」という遊び方を提示してくれました。キャラクターセレクト制は、現在でも主流となっています。
    本作(1989年7月)はこれをさらに推し進め、「道中でキャラクターチェンジが可能」というシステムを採り入れました(「しもべチェンジ」)。大量の敵をさばく場面では攻撃力の高いスモークマンを、近づきがたい敵が現れる場面では攻撃リーチの長いタイガーを選択することで、戦略的に攻略が可能です。
    このキャラクターチェンジ制の作品は現在でも少なく(戦国伝承など)、まだまだ未開拓の分野ではないかと思います。

    プレイアブルキャラクターこそ増えたものの、「忍者龍剣伝」に比べると、本作は大きくパワーダウンしたような印象を受けます。「忍者龍剣伝」は、高さのあるステージデザインと、これを生かした忍者アクションが特徴的でした。本作ではこれらの要素を削除した設計になっています。「忍者龍剣伝」と異なるゲームデザインにしようという意欲は伝わるものの、ベルトゲーの悪い側面である「垂れ流し」の要素が強くなってしまったように思います。

    本作は、残虐な表現が多数あることで有名です。他方で、敵は恐ろしい獣人でありながらも、急に酒を飲みだしたり、頭を掻いたりするなど、コメディチックな表現が魅力的(ただ、プレイヤーに倒されると首が飛ぶのですが…)。残虐な表現とコメディ表現を同居させた、稀有な作品であることは、本作の大きな魅力の一つだと思います。


    タイトル ワイルドファング
    開発会社 テクモ
    販売会社 テクモ
    初出 アーケード、1989年
    システム / (3ボタン)
    キャラクター数 1キャラクター▸1P2P固定
    ほか3キャラクターのしもべを召喚可能
    ステージ数 5ステージ
    戦う動機