特集:ティム・フォリンの曲を集めてみた

Note:このページは、ベルトゲーとは割と関係ないです。


ティム・フォリン
1970年イギリス生まれ。1985年より活動を開始、2006年のいったんのリタイアまでに数多くの曲を作曲しました。特筆すべきは、音源の乏しい80年代のゲーム機において、数音を実現したり、生音に近い音を作り出した点です。
メロディメイカーとしても素晴らしい知識を持っており、独特のグルーヴ感を持つベースラインと、エフェクトの効いたギターが特徴的。彼のルーツにあるのはおそらくダンスミュージックですが、ありきたりなベースラインに拘ることなく、独創性の高い世界を展開しています。
ここでは5曲を紹介しましょう!

プロック!
  Beach
スパイダーマン アンド X-メン イン アーケード リベンジ
  Gambit
タイムトラックス
  Title Theme
  Briefing
グールズ アンド ゴースツ
  Title Theme


プロック! (スーパーファミコン、1993年)


プロック!
Plok
1993年にスーパーファミコンでリリースされた、横スクロールアクション。奪われた旗を取り返すべく、島じゅうのノミを倒すことが目的です。当時の日本では本作に対する評価は著しく低く、罵倒めいた言葉も並んでいたほど。しかし本作の問題点は敵攻撃のダメージが高いということくらいで、操作性やグラフィックは標準的な作品と変わらないように思います。
タイトル画面では、プロックがハーモニカを吹くグラフィックと共に、ブルース調のハーモニカのメロディが流れます。当時こそあまり注目されなせんでしたが、よくよく考えると、スーファミでハーモニカ音を実現してしまったフォリン氏の腕には驚くばかりです。

Beach


おそらくフォリン氏の曲の中で最も有名であり、かつ最も愛されている曲です。しょっぱなから、何かが始まりそうな期待を抱かせる、煌(きら)めかんばかりのメロディシーケンスと重低音が。0:50からの突き抜けるようなメロディ展開(まさに気分はビーチ)、1:38からのギター(特に1:48からのギターリフ!)が気持ち良い!スーファミでこんなギターの音色を実現するなんて!
ループは2:26で完了します。ここでの、冒頭への戻り方もとても気持ち良いですね。

スパイダーマン アンド X-メン イン アーケード リベンジ (SNES、1992年)

Spider-Man and the X-Men in Arcade's revenge
1992年にSNESでリリースされた、横スクロールアクション。スパイダーマンとX-MENのメンバーが共闘します。

Gambit


本曲は、プレイヤーキャラクター「ガンビット」を使うステージで流れる曲です。メロディフレーズ的には当時としてもやや古臭いパターンが用いられているように思われます(イントロや1:48~など)。だからこそ2:08からの斬新なメロディラインには驚かされます。

タイムトラックス (1993)

Time Trax
(写真はSNES版パッケージです)
1993年のジェネシス(海外版メガドライブ)向けにリリースされる予定だった「Time Trax」からの曲(ゲームは結局SNES版のみがリリースされました)。当時の実写ドラマをベースにした作品で、「トラックス」と呼ばれる装置を用いて22世紀末から現代にタイムスリップした犯罪者を、警察官である主人公「ダリアン」が追います。

Title Theme


この曲も知名度の高い曲です。タイトルで流れる曲で、原曲はもう少しテンポが速いです。こちらのテンポが下がっているバージョンの方が聴きやすいかと思います。
未来を感じさせるイントロに始まり、0:49からの部分は盛り上がります。

Briefing


2:27 - 3:08のブリーフィングでのBGMをどうぞ(クリックすると2:27秒から開始します)。軽快でオシャレ目な曲です。

グールズ アンド ゴースツ (Amiga版、1989)

Main Theme


最後はこの曲でお別れしましょう。本作「Ghouls'n'Ghosts」は、コモドール社から発売されたパソコン「Amiga」で発売された、「魔界村」の移植版、です。前半と後半で大きく展開の変わる曲。前半はダンサブルなドラムの上に牧歌的なメロディが、後半は郷愁を味あわせるかのような切ないフレーズが流れます。戦いが終わった後に広がる大自然、草の上を優しく流れる風…後半部分ではそんな映像が頭に浮かぶようです。わずか18歳くらいで作り上げたとは思えないほどの傑作!