悪のピエロ「ツイスト」は、隠れ家の奥深くで、誘拐したセンタービルの人々を拘束して、その頭部に電流を流し、「キラー・ゾンビ・クローン」に変化させていた。
「誰も私を止められない…今日はセンタービル、明日は世界だ!」ツイストが高笑いする。
「僕たちを救えるのは一人だけだ!」捕えられたセンタービルの男性が叫んだとき、夜空にニンジャクラウンの形をしたサーチライト*1が浮かび上がる…
オススメ度:
1991年にアーケード向けにリリースされた作品です。開発したのは「インクレディブル・テクノロジーズ」社であり、アメリカ合衆国イリノイ州で1985年に創業された会社です(創業当時の社名は「フリー・ラディカル・ソフトウェア」社)。同社は1990年頃から「ストラータ」のブランド名を掲げ、本作もそのブランド名にてリリースされました。現在、本作が多くのメディアで「ストラータ販売」として扱われているのも、その影響と思われます。(例えると、社名「ナムコ」とブランド名「NAMCOT」のようなものでしょうか?)
さて、本作は、その小さなひとつひとつの要素が小気味良くできています。スピンキックの複数ヒットや、転がりをヒットさせたときのボーリング音などです。システム的にも、敵の飛び道具を無効化したり、跳ね返す技を組み込んでいるのが意欲的です。防御アクションを取り入れたベルトゲーは既に存在していましたが(「
歌舞伎Z」(タイトー、1988年)など)、本作は、防御できる攻撃を敵の飛び道具に限定し、しかも跳ね返して敵にダメージを与えられるという設計を取り入れています。後の対戦格闘ブームでも「飛び道具を跳ね返す」設計が見られるようになるのですが(「ワールドヒーローズ2」(ADK、1993年)など)、本作は1991年というかなり早い段階でこれを取り入れていました。ベルトゲーでこのシステムを取り入れているのは、「アドバンス ガーディアンヒーローズ」(トレジャー、2004年)、「スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐」(UBIソフト、2005年)などでしょうか。本作でも、ニワトリの卵を跳ね返してヒットさせたときはなかなかの爽快感を得られます。
キャラクターの移動モーションがカクカクしている、敵攻撃も視認しにくく厳しいなど、あまり評価の高い作品ではないですし、そこまで面白いと言える作品ではありませんが、個人的には上記の飛び道具返しのシステムを取り入れた点を高く評価したいです。