「破兆」は、1989年にジャレコからアーケード向けにリリースされたベルトスクロールアクションゲームです。古代中国から2000年後を舞台に、復活した「妖魔王」の封印のため、2人の青年「天雲」「龍雲」が立ち上がる、という筋書きです。
見どころは“手前投げ”。プレイヤーが敵を手前に投げると、一撃で敵体力を全て奪います。
かつて古代中国時代に石像に封じ込められた「妖魔王」。2000年後の今、妖魔王の部下であった魔災家の族長「魔災元師」が、その石像の霊符を剥がし、妖魔王が一昼夜後に復活することを全土に伝える。
正義の法術師「天雲道士」は魔災元師のこの霊能メッセージを察知し、斉雲山道場の全ての弟子を招集する。そこで、2000年前に自らの先祖「斉雲龍師」らの手で妖魔王を封じたこと、その復活を防ぐため誰かが再び封印しなければならないことを伝える。誰か石像を封じる者はおらぬか―しばしの沈黙の後、「天雲」「龍雲」の2人が立ち上がる。
オススメ度:





ジャレコ発の1989年の作品で、とても知名度の低い作品です。ゲーム性は低く、キャラクターがヘンにカクカク動き、敵攻撃の方がリーチが長く一方的に攻撃されます。しかも体力ゲージはタイマーを兼ねているので、時間ごとに減っていきます。
しかしながら、システム面では創意工夫が見られます。「超立体バトル・アクション」と称する、敵を画面手前に投げると、敵が拡大しながら画面に張り付くエフェクトが斬新でした。余談ですが、後にリリースされる「バトルトード」(レア開発)、「T.M.N.T.タートルズインタイム」(コナミ)では、敵マシンのコックピット画面を映し出し、プレイヤーが画面手前にザコ敵を投げると敵マシンにダメージ、という素晴らしいアイデアを実現しています。もしそれらのシステムが、本作から生まれているのならば、非常に感慨深いものがありますね。
もうひとつ特徴的なのが、転んだ敵を通常攻撃で攻撃できるという点。このシステムは、後の同社の作品「
ラッシング・ビート乱 複製都市」に受け継がれています。
しかし本作の最大の魅力は、「魔災姑娘」(マーサイケ)の脱衣グラフィック。マーサイケを画面手前に投げると、服がめくれて下着姿で飛んでいきます(!)。想像してください、1989年というエロ系情報が簡単に手に入らなかった時代を!
ちなみに、下着の色はピンクです。