アステリクス(1992年 / コナミ)

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  • 概要

    「アステリクス」は、1992年にコナミからアーケード向けにリリースされた、ベルトスクロールアクションゲームです。パステル色の色使いの巧みさと生き生きと描かれたキャラクター達、軽快なBGMが、原作のコミカルなドタバタ劇をうまく表現している一作です。

    アステリクスとは


    Asterix Omnibus 4,5&6
    1959年から続く、フランス・ダルゴ社からリリースされているマンガシリーズ。ルネ・ゴシニ原案、アルベール・ユベルゾ描画のタッグによる作品で、ウィキペディアによれば、全世界で3億5000万部以上を発行しているそうです。その魅力は、子どもたちにとっては分かりやすいギャグやアクションシーン、大人にとっては知的な隠喩なのだとか。
    ストーリーの概略は次のようなものです。ガリア地方で唯一ローマ帝国の征服を免れているとある村に、ローマ帝国は幾度となく侵略を試みます。しかし、村の住民で、素早く頭の切れる「アステリクス」と、優しい力持ち「オベリクス」らの活躍により、ローマ兵を撤退させ続けます。
    アステリクスの冒険は、やがて外国にまで及び、そのいずれの国においてもほぼローマ帝国が悪役として描かれています。決して単に悪役として描かれるのではなく、ユーモアを交えてコミカルに描かれるために、ローマ側のキャラクターも魅力に溢れています。
    ちなみに、一般にはこのマンガシリーズは、日本では「アステリックス」と呼ばれています。コナミは、これとは異なる「アステリクス」という名前でリリースしました。

    ストーリー / ステージ

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    キャラクター

    アステリクス
    本作の主人公。小柄ながら頭の良さと素早さが武器。
    アステリクスのプロフィール、コマンド技表はこちらをどうぞ。

    オベリクス
    心優しい大柄の男性。赤ん坊のころのある事件により、超人的な力を有するように。
    オベリクスのプロフィール、コマンド技表はこちらをどうぞ。

    ゲタフィックス
    アステリクスらの村に住む僧侶。白ヒゲと白いローブ、そして背が高いのが特徴で、いくつもの魔法の薬を調合しています。特に有名なのが村人の能力を高める薬で、この薬を巡って物語が展開することも。本作でも、画面に魔法の薬が現れると、ゲタフィックスがアステリクスに語りかけるような吹き出しが現れます。

    パナセア
    美女で、オベリクスから好かれています。原作では10冊目のコミック「Asterix the Legionary」(1966年)に登場したキャラクターで、彼女に出会ったオベリクスは一目ぼれ。しかし、パナセアにはローマ帝国に連れ去られた婚約者がおり、アステリクスとオベリクスはその婚約者を救出することをパナセアと約束します。それがオベリクスにとっては恋の終わりを告げることを知りながら…。
    本作ではたびたび登場し、アステリクスとオベリクスにキスすることで体力を回復してくれます。ACT4では連れ去られ、アステリクスらに救出されます。

    カエサル
    幾つもの村を征服したローマ帝国の提督。アステリクスの村をも征服しようとしますが、毎回撃退されています。本作の黒幕というべき存在で、ボスとして現れることはないものの、その指示でローマ戦士がアステリクスらに襲いかかります。

    TIPS

    作品解説

    オススメ度:
    1992年の作品で、原作は世界的に有名なフランス発マンガ「アステリクス」。独自のマンガ文化を持つ日本とアメリカでは知名度は低いものの、それ以外の多くの国ではよく知られているようです。おそらくその知名度の高さを見込んで、コナミも版権を得て本作を製作したのだと推測されます。
    ゲームシステムやダメージ値はやや厳しめに設定されており、少し理不尽に感じることも。本作の作法を知らないとあっという間にゲームオーバーになります。これは、海外ではコンティニューさせることが前提の作品が多いせいかもしれません。しかしそれ以上にグラフィックや音楽は魅力的です。原作の持つ色使いやカット割り、表情溢れるキャラクター群、そしてコミカルさを最大限まで表現した音楽は、本作の価値を大きく高めています。
    日本でこそヒットにはつながらなかったものの、おそらく他国の子どもたちには、生き生きと描かれたアステリクスを動かせることが、大きな魅力だったことでしょう。原作の魅力を実にうまくゲームに反映させた、スタッフの愛情溢れる作品であるように思います。